国土交通省が不動産証券化にかかる実態調査の結果を公開
国土交通省は6月28日、不動産証券化の全体的規模を把握すべく、毎年実施している「不動産証券化の実態調査」について、2023年度(令和5年度)の結果をとりまとめて公開した。
不動産証券化の対象として運用されている不動産または信託受益権の資産額について調査したもので、リートなどを含む市場の動向をみることができる。
2023年度末時点において、不動産証券化の対象となった不動産、または信託受益権の資産総額は、約59.8兆円だった。前年度末時点の53.3兆円から約6.5兆円増加、60兆円規模に迫りつつある。
このうち、リートや私募リート、不動産特定共同事業を合計したものの不動産資産総額は約30.8兆円だった。こちらは前年度に比べ、およそ2.2兆円の伸びとなった。
取得不動産額は約2.7兆円
2023年度にリート(私募リート含む)や不動産特定共同事業の対象として取得された不動産、または信託受益権の資産額は合計で約2.7兆円だった。また、譲渡された資産額は約8,000億円だったと報告されている。
スキーム別に分析すると、取得された資産では、リートが約2兆3,000億円、不動産特定共同事業が約4,000億円だった。リートの場合、実物不動産はこのうちの約2,600億円で、約2兆500億円は信託受益権などとなっていた。一方、不動産特定共同事業は、実物不動産が約4,000億円ですべてとなる。
譲渡資産については、リートが約6,000億円、不動産特定共同事業が約2,000億円となった。
2023年度に取得された不動産の資産額割合を用途別に集計すると、オフィスが26.5%、物流施設が20.2%、住宅が20.0%の順だった。
不動産特定共同事業のうち、不動産の開発資金を証券化によって調達する「開発型の証券化」にあたるものは146件、金額にして約870億円となった。
(画像はプレスリリースより)
国土交通省 プレスリリース
https://www.mlit.go.jp/report/content/001751591.pdf「不動産証券化の実態調査」結果提供ページ
https://www.mlit.go.jp/