マンションリサーチが高騰する市場の現状と構造を分析
マンションリサーチ株式会社(以下、マンションリサーチ)は6月28日、昨今の首都圏1都3県における中古マンションの高騰傾向を受け、その現状や市場構造を明らかにすべく、取引価格帯を軸とした調査・分析を行い、その結果を公開した。
まず、1都3県中古マンションの平米単価推移をみると、東日本レインズのデータをもとにした調査で、制約平米単価が大きく伸びていることが判明した。
新規登録平米単価もやや高水準での横ばい推移になっているが、在庫単価はさほど伸びておらず、むしろ横ばいからわずかに低下している傾向もある。現在の在庫単価は、2023年前半から緩やかに低下し、2022年2月の水準まで落ちてきた。
続いて、東京都23区の1億円以上による成約物件数をみると、全体に上昇傾向が認められ、とくに2024年の3月・4月は過去に類を見ないほどの成約件数を記録、際立って多い成約があった。ただし3月と4月の間には大きな差はなく、微増で推移している。
1億円以上の内訳として、さらに東京都23区、1億5,000万円以上の成約物件数に絞って分析を行うと、こちらもおよそ上昇傾向を続けているが、直近の3月と4月でも大幅な伸びがみられ、2024年4月は3月に比べ、圧倒的に多くの1億5,000万円以上という高価格をつけた物件の成約が進んだことが判明した。
高価格帯物件が価格を引き上げ、二極化が進行
次に、首都圏1都3県の「全価格帯成約価格」と「1億円以下の物件の成約価格」の推移をグラフ化し、比較分析を行った。すると、「全価格帯の成約価格」は2024年5月現在までおよそ一貫して価格の高騰傾向が続いていた。
これに対し「1億円以下の成約価格」推移は、2022年後半まで順調に伸びていたものの、それ以降は伸びが鈍化、2024年に入った頃からは横ばい傾向となっている。むしろやや低下する向きもみられ、高騰一辺倒ではないのは明らかである。
さらに、首都圏の「全価格帯の成約価格」と「1億円以下の物件の成約価格」についてその差分を出し、グラフ化すると、顕著に伸びている傾向が確認された。差が拡大し、一層の二極化が進んでいることを示す。
マンションリサーチでは、今回の結果を受け、現況の中古マンション市場における価格高騰が叫ばれる裏には、高価格帯物件の販売の好調さが全体の成約価格を押し上げていることが大きな要素としてあり、中古マンションを購入する大多数が属した1億円以下のマーケットになると、すでに現況は頭打ちになっているとした。
(画像はプレスリリースより)
マンションリサーチ株式会社 プレスリリース(PR TIMES)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000064.000013438.html