いえらぶGROUPが最新の賃貸物件市場動向を発表
不動産業界のDXを推進する株式会社いえらぶGROUP(以下、いえらぶGROUP)は7月31日、不動産業者間の流通プラットフォームとして提供している「いえらぶBB」のデータをもとに、2024年6月の賃貸物件市場動向を調査、前年同月(2023年6月)と比較した分析結果を公開した。
「いえらぶBB」の掲載データからランダムにデータを抽出、集計する方式でまとめたもので、有効サンプル数は2023年6月期が12万件、2024年6月期が13万件となっている。
まず、賃貸物件の平米単価について、前年比を算出したところ、都市圏9県では98.4%となり、やや低下傾向になっていた。一方、東京都は104.5%で、前年より上昇、高騰傾向が確認されている。
また、東京23区ではよりその傾向が顕著で、前年比105.9%となった。23区全ての区で100%を超えており、都心ニーズの強さがうかがわれる。
リモートワークを取りやめる企業もあり、都内では賃貸住宅のみならず、オフィス賃料も上昇している。デベロッパー大手の森ビルは最高益を発表したことも報告された。
23区の区別集計では、荒川区がトップで119.3%、2位は千代田区と台東区の114.2%、4位が葛飾区で113.0%、5位に新宿区が111.9%でランクインしている。
他の都市圏では福岡が堅調
物件タイプ別に前年比で平均賃料の動向をみていくと、都市圏9県では、シングルタイプが98.3%、カップルタイプが97.1%、ファミリータイプがほぼ横ばいの99.5%で、大型ファミリータイプは102.3%だった。全物件では96.9%となっている。
東京都は全ての種別で100%を超え、シングルが102.7%、カップルタイプで105.6%、ファミリータイプは103.0%、大型ファミリータイプは103.1%だった。全物件合計は103.7%となっている。都市圏9県では最も低かったカップルタイプが、東京都では最も高く、強い賃料上昇傾向にある点が特筆される。
東京都以外では、福岡県で都市圏9県中唯一、全物件タイプで平均賃料がアップ、100%超えとなった。シングルタイプは103.5%、カップルタイプで101.7%、ファミリータイプは107.8%、大型ファミリータイプは101.4%で、全物件合計でも103.9%と、わずかながら東京都を超える水準にまでなっている。
福岡県の上昇背景としては、経済発展や人口増加など、さまざまな要素が考えられているが、昨今、大規模再開発計画として「天神ビッグバン」、「グローバル創業・雇用創出特区」などの取り組みを進めており、注目度が高まっていることが指摘された。
人口についても、福岡県は今年47都道府県の人口ランキングにおいて、北海道を抜き8位に浮上、全体の人口が増加することで、賃貸ニーズも高まっていると推察された。
都市圏9県では、全物件タイプの前年に比べた平米単価が98.4%、平均賃料が96.9%でいずれもやや低下していた。物件のタイプ別にみても、シングル、カップル、ファミリータイプは平米単価・平均賃料ともに前年比でダウンしている。
これに対し、大型ファミリータイプは平米単価で101.9%、平均賃料で102.3%とどちらも100%を超えた。この大型物件のみが平米単価でも平均賃料でも上昇しているという傾向も、ひとつの注目点となっている。
(画像はプレスリリースより)
株式会社いえらぶGROUP プレスリリース(PR TIMES)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000492.000008550.html