熱海の盛土崩落災害などを受けた規制
国土交通省、農林水産省、林野庁は5月26日、2022年5月27日に交付された「宅地造成及び特定盛土等規制法」(以下、盛土規制法)の施行を発表した。
2021年に静岡県熱海市で大雨に伴い盛土が崩落、大規模な土石流災害が発生したことや、危険な盛土に関する法律での規制が必ずしも十分に働いていないエリアがなお存在していることを踏まえ、「宅地造成等規制法」を抜本的に改正し、危険な盛土などを包括的に規制することを目的に適用されたもの。今後は土地の用途にかかわらず規制の対象になる。
「スキマのない規制」とするため、都道府県知事などが宅地、農地、森林といった土地用途にかかわらず、盛土などが人家等に被害を及ぼしうる区域を規制区域として指定、農地・森林の造成や土石の一時的堆積も含め、規制区域内で行う盛土などを許可対象にする。
罰則も強化
十分な安全性を確保するため、盛土などを行う場合には、そのエリアの地形・地質などに応じた災害防止にかかる必要な許可基準を設定、基準に沿った対策がとられているか確認を徹底すべく、施工状況の定期報告や施工中の中間検査、工事完了時の完了検査の実施などを求める。
盛土などを行った土地については、土地所有者らに安全な状態で維持する責務があるとされる。また災害防止のため、必要に応じ土地所有者らだけでなく、原因行為者に対しても、是正措置などをとるよう命じることができるようにするなどのルール化も行われた。
改正内容を含めた規制が実効性のあるものとなり、違反に対する十分な抑止力を発揮するよう、無許可行為や命令違反などについての罰則を条例による上限よりも高い水準に引き上げ、最大で懲役3年以下、罰金1,000万円以下、法人重科3億円以下とすることも明示されている。
国土交通省 盛土規制法についての発表資料
https://www.mlit.go.jp/toshi/web/morido.html国土交通省/農林水産省/林野庁 施行に当たっての留意事項資料
https://www.mlit.go.jp/toshi/web/content/001611864.pdf