高額でも駅直結の湾岸タワマンが人気
マンションの資産価値が簡単に分かる「カウル」サービスを展開する株式会社Housmart(以下、Housmart)は7日、湾岸エリアのタワーマンションを対象に、2019年12月対比の2021年12月における平米単価の値上がり率や売り出し物件数を調査した結果をとりまとめ、公開を開始した。
調査対象となったのは、江東区豊洲・有明・東雲、中央区月島・勝どき・晴海エリアにある20階建て以上のタワーマンションで、36棟が該当した。なお売り出し物件数は、新規の売り出し数と在庫数の合計で示している。
今回、調査対象となった36棟のうち、2019年12月対比で2021年12月の平米単価は、1棟を除く35棟が値上がりしていた。平均値上がり率も118.9%と高く、安定して資産価値が崩れていないことが分かる。
ここのところ上昇傾向にあり、18カ月連続でアップしている首都圏全体の不動産平均値上がり率だが、こちらは公益財団法人東日本不動産流通機構の「MarketWatch サマリーレポート 2021年10月度」(2021年12月7日時点最新データ)参照で116.7%となっていた。やはり高水準で推移しているものの、調査対象となった湾岸タワーマンションは、これよりもさらに2.2ポイント高い値上がり率を記録していることになる。
有楽町線豊洲駅直結の物件は140%超え
2年前の2019年12月対比でみた値上がり率では、東京メトロ有楽町線豊洲駅直結の「豊洲シエルタワー」が140.5%でトップに輝いた。
1階から3階にはテナントが入居する、地上40階地下1階の高級タワーマンションで、総戸数は560戸、2006年9月に竣工した。シングルタイプの1Kから、ファミリー向けのゆとりある4LDKまでルームプランも豊富な特徴がある。売り出し物件数は1件で横ばい、ほぼ在庫のない状況が続いている。
2位は東雲の「Wコンフォートタワーズ」で、値上がり率138.5%だった。銀座やお台場に近く、都市とリゾートの2つの快適性、利便性を備えた物件として人気があり、地下2階地上54階塔屋1階のEAST棟、地下2階地上45階塔屋2階のWEST棟の2棟からなる。総戸数はEASTが673戸、WESTが476戸と合計1,149戸の大規模マンションで、2005年4月に竣工となった。売り出し物件数はやや減少し、11件になっている。
3位は「勝どきビュータワー」の値上がり率135.3%だった。都営大江戸線勝どき駅直結の地上55階建て物件で、2階までに店舗や事務所テナント、3階に区立保育園、4階に区の児童館が入っている。総戸数は712戸で、2010年11月に竣工した。売り出し物件数は4件で、減少傾向にある。
4位は「シティタワーズ東京ベイ」の130.2%だった。都内最大規模の複合開発として進められた「有明ガーデン」の象徴となるタワーマンションで、ゆりかもめ有明駅に隣接、ウエストタワー、セントラルタワー、イーストタワーの3タワーからなる総戸数1,539戸の物件として誕生した。2019年7月に竣工を迎えている。現在の売り出し物件数は10件だ。
この上位4つが値上がり率130%超を記録した。2位の「Wコンフォートタワーズ」を除いた3物件は、いずれも駅直結または隣接のタワーマンションで、やはり駅近・直結タイプの人気が高く、資産性に優れていることが分かる。
豊洲、有明、月島、勝どきの各エリア内における平米単価上昇率トップの物件をみても、すべて駅直結または隣接のタワーマンションだったことが報告されており、コロナ禍でテレワークの導入が急速に進み、駅近の価値が低下した、郊外志向が進んだとも言われるが、少なくとも湾岸タワマン市場において、そうした傾向はみられていない。
ランキングは、以下5位に「パークタワー東雲」の値上がり率128.4%、6位「キャナルワーフタワーズ」の128.1%、7位「Brillia有明シティタワー」の128.0%などと続いた。
こうした値上がり傾向により、湾岸エリアのタワーマンション平均平米単価は119.7万円となったことも報告された。
(画像はプレスリリースより)
株式会社Housmartによるプレスリリース(PR TIMES)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000141.000012645.html