不動産流通推進センターが指定流通機構活用状況を発表
公益財団法人不動産流通推進センターは20日、2022年3月度の指定流通機構活用状況について、調査結果をとりまとめ、公開を開始した。
2022年3月における新規登録件数は378,723件で、前月に比べると6.0%増加し、プラスに転じたが、前年同月比では10.2%の減少と大幅なマイナスになっている。前年同月比マイナスの傾向は年頭から続いており、これで3カ月連続の減少となった。
成約報告件数は62,418件と、前月に比べ18.4%の増加と20%に迫る大幅増を記録したが、前年同月比ではなお6.1%の減少だった。これで9カ月連続のマイナスになる。
指定流通機構の総登録件数は、これで825,903件となり、前月より1.4%減少、前年同月比では7.6%増加した。前月比での減少は4カ月連続、前年同月比での増加は8カ月連続となっており、足元での市況に大きな変化はなく、同様の傾向が続いているものとみられた。
賃貸物件に比べとくに売り物件で停滞傾向か
売り物件と賃貸物件別に件数データの集計・分析を行うと、売り物件の場合、新規登録件数が91,889件で、前月より9.0%の増加となったが、前年同月比では21.7%の減少になっていた。前年同月比マイナスは、これで24カ月連続のこととなる。
成約報告件数は16,483件で、前月に比べ10.5%の増加になったが、前年同月比では17.3%の減少だった。前月比では持ち直し傾向をみせているものの、なお前年同月との比較では低調さが否めない。総登録件数は295,986件となり、前月より0.9%のマイナス、前年同月より3.0%のマイナスだった。
賃貸物件の場合では、2022年3月の新規登録件数が286,834件となり、前月より5.1%の増加、前年同月比では5.7%の減少になった。前年同月比が再びマイナスに転じたが、売り物件に比べると小幅な減少にとどまる。
成約報告件数は45,935件で、前月比21.6%の増加と大幅に伸びた。前年同月比では1.2%の減少だが、こちらも売り物件に比べるとごく小幅なマイナスで、横ばいに近い水準といえる。総登録件数は529,917件となり、前月に比べ1.73%の減少、前年同月比では14.5%の増加になった。
新規登録売り物件は専任媒介が全体の36.2%
売り物件について、取引態様別で分析すると、2022年3月の新規登録では「媒介契約」が63,594件で、全体の69.2%、約7割を占めた。
このうち「専属専任」は10,762件で、全体の11.7%、前月比では5.6%増加し、前年同月比で19.2%の減少になった。「専任媒介」は33,251件で、全体の36.2%と最も多くを占める。前月比では9.8%の増加、前年同月比では19.9%の減少であった。「一般媒介」は19,581件で、全体の21.3%、前月より6.6%増加したが、前年同月比では41.1%と大幅なマイナスになっている。
「売主」は26,987件で、全体の29.4%を占め、前月より10.7%増加した。前年同月比では3.2%の減少で、マイナスながらその減少幅は全取引態様別で最も小さい。「代理」は1,308件で全体の1.4%、前月より22.4%増加したが、前年同月比では9.8%の減少だった。
成約報告件数を取引態様別でみると、「媒介契約」は13,839件で全体の84.0%を占めていた。うち「専属専任」が3,010件で、全体の18.3%、前月比で13.2%の増加、前年同月比では19.9%の減少となる。「専任媒介」は8,882件で、全体の53.9%と過半を占めた。前月比8.9%の増加、前年同月比は15.7%の減少である。「一般媒介」は1,947件で、全体の11.8%に当たり、前月比は15.5%の増加、前年同月比では23.5%の減少だった。
「売主」によるものは2,582件で、全体の15.7%を占める。前月より9.7%増加したが、前年同月比では13.9%の減少となった。「代理」は62件で、全体の0.4%と少なく、前月比5.1%の増加、前年同月比は36.7%の減少になっていた。
(画像は不動産流通推進センター「指定流通機構の活用状況について(2022年3月分)」公開資料より)
公益財団法人不動産流通推進センター 「指定流通機構の活用状況について(2022年3月分)」公開資料
https://www.retpc.jp/