高騰続く首都圏の賃貸市場
株式会社LIFULL(以下、LIFULL)は22日、同社が運営する住まいの情報サイト「LIFULL HOME'S PRESS」において、2024年12月版のマーケットレポートを公開した。
「LIFULL HOME'S」に掲載された物件データや、ユーザーが「LIFULL HOME'S」を介して不動産会社に行った問い合わせデータなどをもとにまとめたもので、最新の市場動向や一般における反響を見ることができる。
首都圏版、近畿圏版、愛知・札幌市・仙台市・広島市・福岡市版の3タイプがあり、このそれぞれについて賃貸市場、中古マンション市場、中古一戸建て市場のデータが提供されている。
このうちの賃貸市場首都圏版レポートを参照すると、2024年12月では、東京23区で過去最高賃料を記録した。
調査対象は、2024年12月に登録・公開された首都圏の賃貸物件。ここにおける「シングル向き」とは、ワンルーム・1K・1DK・1LDK・2Kを指し、「ファミリー向き」は2DK・2LDK・3K・3DK・3LDK~を指す。また「反響」は問い合わせデータを指す。
東京23区賃料がシングル・ファミリーとも過去最高値
2024年12月における首都圏シングル向き賃貸物件の掲載物件平均賃料は78,500円で、前月比100.4%、前年同月比103.8%と上昇を記録した。
2024年1~3月の引越シーズンには大きく上昇した賃料が、その後は横ばいからやや下落傾向となり、シングル向きでは2024年8月から4カ月連続で前月比マイナスに転じていたが、12月は5カ月ぶりに上昇となっている。
東京都全域では92,274円、前月比101.0%の上昇だった。東京23区では103,914円となり、前月比で101.2%、前年同月比で109.7%となっている。とくに都心6区では水準が高く、掲載物件の平均賃料は132,443円にまで上昇した。次いで高いのは城南の119,489円になっている。
東京都市部では59,673円で、前月比100.3%だった。神奈川県全域は64,525円で、前月比99.8%と微減、前年同月比は102.6%の上昇だった。埼玉県は61,112円で、前月比99.7%とこちらも微減、前年同月比は102.7%になっている。千葉県は63,223円で、前月比100.4%と微増、前年同月比は105.0%だった。
反響物件平均賃料で見ると、首都圏全体では80,981円で、前月比101.2%、前年同月比105.1%と上昇した。掲載物件平均との乖離率は-3.1%になっている。
東京都全域では89,478円で、前月比101.1%、東京23区は94,183円で、前月比101.0%だった。都心6区と城南は10万円超になり、都心6区で109,751円、城南が103,828円を記録している。乖離率は10%を超え、23区全体で10.3%、都心6区では20.7%、城南で15.1%になった。
神奈川県全域の反響物件平均賃料は70,874円で、前月比101.1%、乖離率は-9.0%だった。埼玉県は63,972円で、前月比102.3%、乖離率が4.5%、千葉県は62,546円で、前月比100.3%、乖離率が1.1%になっている。
ファミリー向きの掲載物件平均賃料は、首都圏全体で130,458円となり、前月比101.0%、前年同月比で108.1%に上昇した。ファミリー向きも引越シーズン後に一度低下傾向となったが、それ以降は緩やかに上昇基調を続けている。
東京都全域は178,716円で、前月比101.7%、前年同月比110.7%の上昇、東京23区は217,710円で、前月比101.9%、前年同月比113.0%の高水準な記録となった。中でも都心6区は302,312円で30万円台となり、前月比102.0%の上昇にもなっている。城南エリアも299,663円の前月比103.4%で、30万円に迫る勢いとなった。
東京都市部は105,722円で、前月比102.8%、前年同月比107.4%だった。神奈川県全域は106,782円で、前月比99.8%と微減、前年同月比は108.9%で伸びている。
埼玉県は91,058円の前月比100.7%、前年同月比105.0%、千葉県は91,377円で、前月比100.3%、前年同月比108.1%だった。
専有面積はほぼ横ばい
2024年12月の首都圏シングル向き賃貸物件における平均専有面積は、全体で26.20平方メートルと、前月比100.0%で横ばいになった。反響物件の平均は27.54平方メートルで、前月比99.3%だが、掲載平均よりやや広い。
東京都全域は、掲載物件平均が26.34平方メートル、23区では27.03平方メートルで前月比100.4%とわずかに広がった。神奈川県は24.10平方メートルで、前月比99.4%とやや縮小、埼玉県は27.15平方メートルで前月比100.0%、千葉県は28.47平方メートルの前月比100.4%だった。
ファミリー向き賃貸物件の平均専有面積は、首都圏全体で57.34平方メートルとなり、前月比100.3%でほぼ横ばい、わずかに広がる結果となった。反響物件平均も57.56平方メートルで掲載平均とさほど変わらない。
東京都全域では57.88平方メートルの前月比100.5%、23区では59.24平方メートルで、前月比100.3%だった。神奈川県は56.41平方メートルの前月比99.7%、埼玉県は56.75平方メートルで、前月比100.5%、千葉県で57.85平方メートルの前月比100.1%となった。
(画像はプレスリリースより)
(調査出典元:LIFULL HOME'S PRESS調べ(2025年1月掲載))
株式会社LIFULL プレスリリース(首都圏賃貸データ)
https://www.homes.co.jp/cont/press/report/report_00461/