ダイヤ改正前後の賃貸需要の変化を調査
不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S」は3月11日、鉄道ダイヤ改正前後の賃貸物件の問合せ数と家賃相場の変動についての調査結果を発表した。
対象は、2022~2024年にダイヤ改正で利便性が変化した首都圏の駅。「八潮」(つくばエクスプレス)、「青物横丁」「平和島」(京急本線)、そしてJR京葉線直通の「内房線」「外房線」の各駅を分析した。
つくばエクスプレス「八潮」は快速停車で問合せ増加
埼玉県八潮市の「八潮」は、2024年3月のダイヤ改正で快速列車の停車駅となり、利便性が向上した。
賃貸物件の問合せ数は、2024年4-6月が前年同期比120.6%、7-9月が同119.5%と増加した。
家賃相場も上昇傾向にあり、2024年1-3月の8万7,391円(前年同期比+9%)をピークに、4-6月は8万5,925円(+5%)、7-9月は8万3,085円(+5%)、10-12月は8万4,618円(+4%)と推移している。
2025年3月のダイヤ改正では八潮始発の普通列車が増発予定で、さらなる利便性向上が期待される。
JR内房線・外房線は改正直後に問合せ減少、追加変更で一部回復
2024年3月の改正で、JR京葉線の通勤快速が廃止され、JR内房線・外房線の沿線住民の利便性が低下した。
JR内房線の6駅(蘇我・浜野・八幡宿・五井・姉ヶ崎・木更津)の問合せ数は、2024年4-6月に前年同期比89.6%~67.2%と減少した。
しかし、同年9月の追加ダイヤ変更で「八幡宿」(前年同期比109.7%)と「五井」(同113.7%)は回復。一方、「蘇我」「浜野」「姉ヶ崎」「木更津」は前年水準を下回ったままとなっている。
JR外房線は「蘇我」「鎌取」「大網」「茂原」の4駅中、「鎌取」を除く3駅で問合せ数が減少した。特に「茂原」は2024年4-6月で前年同期比69.2%と大きく落ち込んだ。その後、「鎌取」「大網」は追加ダイヤ変更で回復したものの、「茂原」は同88.0%と依然として低迷している。
京急本線「青物横丁」「平和島」は利便性向上で家賃も上昇
2022年11月、京急本線のダイヤ改正により、「快特」と「特急」が10分間隔で交互に運行されるようになった。これに伴い、「青物横丁」「平和島」では停車本数が増加した。
問合せ数は、「青物横丁」で2022年10-12月が前年同期比85.9%だったが、改正後の2023年1-3月には144.7%に上昇。「平和島」も104.8%から130.2%へと大幅に増加した。
また、2024年の家賃相場は「青物横丁」で121,132円(1-3月)から135,389円(9-12月)へと11.8%上昇。「平和島」でも94,798円から107,541円へと13.4%上昇しており、いずれも品川区(+3.4%)、大田区(+8.8%)の平均上昇率を大きく上回っている。
(画像はプレスリリースより)

株式会社LIFULLのプレスリリース
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