イノベリオスがマンション管理にかかるアンケート調査を実施
マンション管理アプリ「クラセル」の提供元であるイノベリオス株式会社(以下、イノベリオス)は27日、マンション管理に関するアンケート調査を実施し、その結果をとりまとめて公開した。
調査実施期間は2023年9月9日~9月30日、分譲マンション管理組合員を対象に行い、253人から有効回答を得ている。
利用している管理会社を友人や親族に勧めたいと思うか尋ねた結果では、0~10点の10段階評価で、「全く思わない」の0点とした人が30.8%、「どちらでもない」の5点が26.5%と多く、以下、2点が9.5%、3点が7.1%などとなった。
顧客ロイヤルティ調査指標として用いられるNPSで分析した場合、85%の人が「批判者」に該当する回答となっており、多くの人が今の管理会社に満足していないと分かる。
管理会社に期待することを上位3つまで選んでもらうと、最も多いのは「管理組合目線での提案力」の55.7%、2位が「管理員のレベルの高さ」の40.3%、3位は「フロント担当者の対応の迅速さ」の39.9%だった。
4位は「漏水や設備不具合時などのハード面のトラブル対応力」の30.4%、5位に「管理委託費の安さ」の29.2%などと続いた。「管理組合目線での提案力」はとくに強く求められており、良し悪しを決めるポイントになっていると考えられる。
値上げ要請が進むも、管理費はすでに「高い」と感じている人が多め
管理会社に支払っている管理委託費について、その価格をどう感じているか尋ねた結果では「高い」が42.3%で最も多く、「妥当」が34.4%、「安い」は9.5%にとどまった。
直近5年間で、管理会社から値上げ要請を受けたことがあるか尋ねたところ、「ある」が68.0%で7割近くにのぼった。「ない」は27.3%、「わからない」が4.7%となっている。
もし、今後管理会社から管理委託費の値上げ要請があり、値上げが必要となった場合、どう感じるか尋ねると、「ある程度の金額までなら値上げを受け入れる」は31.2%、「これ以上の値上げは回避したいので、管理会社の変更や自主管理への移行を検討する」が53.4%となった。
管理費の値上げは回避したい向きが強く、変更も検討する考えの人が多くなってきているとみられる。
ある程度の金額までなら値上げを受け入れるとした人に、どの程度までなら受け入れられそうか、続いて尋ねると、「10%アップ程度」が82.3%で圧倒的に多く、「30%アップ程度」が17.7%、それ以上の回答はみられなかった。
値上げをある程度仕方がないと受け止める層でも、10%以上になると、受け入れられないと考える傾向が強い。
近年広がりつつある「第三者管理方式」について、どう思うか尋ねた結果では、「利益相反の問題がネックとなるため、管理会社に管理費委託業務を委託するのは反対」という人が61.3%で過半となったが、21.3%の人は「お願いしたい」という意向をみせた。
カーボンニュートラルの実現に向け、電気自動車へのシフトも進むが、マンション内に電気自動車の充電器を設置する必要性などについてはどう考えるか尋ねると、「将来は必要になると思うが当面は様子を見たい」とする人が39.5%で最も多く、次いで「一部の人にしか恩恵を受けない設備なのでマンション全体の費用で設置するのは反対」の19.4%が入った。
3位には「まだ設置していないが早めに設置するべきだと思う」の11.9%がランクインしたものの、明確な反対者が約2割存在し、慎重な姿勢をみせる人も多いため、設備導入は安易に決められない状況と分かる。
2022年からスタートした「管理計画認定制度」と「マンション管理適正評価制度」について、どう考えるか尋ねた結果では、「まだ申請していないが検討中」が37.2%で最も多く、次いで「制度自体をよく知らない」の24.5%、3位は「あまりメリットを感じないため申請しないと思う」の19.8%となった。
「既に申請済み」は5.1%にとどまっており、周知などを含め、まだまだ普及には課題が多いとみられる。
(画像はプレスリリースより)
イノベリオス株式会社 プレスリリース(PR TIMES)
https://prtimes.jp/000000008.000070085.html