三鬼商事が最新オフィスマーケットデータを公開
三鬼商事株式会社(以下、三鬼商事)は12日、全国主要都市のオフィスビル最新市況をまとめた調査データの公開を開始した。2024年8月分のデータをとりまとめたもので、東京ビジネス地区のほか、大阪、名古屋、札幌、仙台、横浜、福岡の各市場動向を見ることができる。
この調査における「東京ビジネス地区」とは、千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区の都心5区を指す。対象ビルは、この都心5区内にある基準階面積100坪以上の主要貸事務所ビルとなる。
「新築ビル」とは、調査月を含め過去12カ月間に竣工したビルで、「既存ビル」は調査月の12カ月前までに竣工したビルを指す。今回の調査時点では、新築ビルに該当するものが26棟、既存ビルが2,555棟で、合計は2,581棟だった。
2024年8月における東京ビジネス地区の平均空室率は4.76%で、前月に比べ0.24ポイント改善、前年同月に比べると1.64ポイントの改善になった。2021年1月以来の4%台まで低下し、徐々に需給が引き締まってきている。
8月は解約の影響が少なかったほか、拡張などによる中小規模の成約の動きが堅調で、さらに大規模ビルでも成約が進んだため、空室率の低下につながった。東京ビジネス地区全体では、この1カ月間に空室面積が約19,000坪減少したと報告されている。
新築ビルの平均空室率は21.51%で、前月に比べ1.33ポイント上昇した。前年同月比では21.14ポイントの低下になっている。新築ビル3棟の竣工が新たにあり、それぞれの物件で募集区画を残しての竣工になったため、空室率が押し上げられた。
一方、既存ビルの平均空室率は4.53%で、前月より0.26ポイント、前年同月より1.11ポイント低下した。グループ集約などの解約の動きがあったものの、大規模ビルで大型成約があったほか、館内増床などの成約も見られ、全体で改善傾向となっている。
平均賃料は小幅ながら7カ月連続上昇
2024年8月における東京ビジネス地区の平均賃料は、月額坪あたり20,103円で、前月より69円、率にして0.34%上昇、前年同月比でも347円、率にして1.76%の上昇になった。7カ月連続の上昇を記録している。
新築ビルの平均賃料は、月額坪あたり27,464円で、前月に比べると140円の下落になったが、前年同月比では539円の上昇になっている。
既存ビルは月額坪あたり19,928円、前月より74円、前年同月より275円上昇した。
区別の内訳を見ると、空室率では、新宿区のみ前月より悪化し、4.47%で、0.07ポイント上昇している。最も低いのは千代田区の2.66%で、最も高いのが港区の6.32%だった。区別比較では最も高い水準の港区だが、前月比、前年同月比の低下幅は他の区よりいずれも大きく、差を縮めてきている。
中央区は5.91%、渋谷区は4.06%だった。
平均賃料では、前月比で千代田区のみ下落、前年同月比では港区のみ下落になった。これ以外の区は前月比・前年同月比とも上昇となっている。
最も高いのは渋谷区の月額坪あたり23,573円で、前月より97円、前年同月より1,755円の上昇を記録した。千代田区はこれに次ぐ21,794円だが、前月に比べると30円下げている。続く港区は月額坪あたり19,586円、新宿区が月額坪あたり18,453円で、最も安いのが中央区の月額坪あたり18,239円だった。
(画像はプレスリリースより)
三鬼商事株式会社 オフィスレポート 東京ビジネス地区 2024年9月号公表資料(プレスリリース)
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