東京Aグレードの空室率も5期ぶりに上昇
法人向け不動産のトータル・ソリューション・プロバイダー事業を展開するCBREは7月24日、「2019年第2四半期(Q2)の全国13都市オフィスビル市場動向」を発表した。
レポートから東京都の動向をみると、Q2における東京オールグレードの空室率は、対前期比0.1ポイント上昇の0.7%。空室率が上昇したのは、2年ぶりとなる。
上昇の主な要因として、2018年に完成したビルへテナントが移転した後の、二次空室が発生したことが挙げられる。また、新築ビル1棟が空室を残したまま完成したため、グレードAの空室率も5期ぶりに上昇した。
その一方で、拡張移転や分室、建て替えによる立ち退き移転がみられる。即入居可能な物件が限定されているため、今期に発生した二次空室についても、拡張移転を計画している複数の企業が、検討していると考えられる。
東京グレードA賃料、向こう1年間で1.7%下落の予想
東京オールグレードの坪当たり平均賃料は、対前期比0.6%上昇の2万2490円。グレードの中で唯一空室率が低下したグレードBの賃料は、前期に比べて1.3%上昇している。
6月末時点における未完工ビルのテナント内定率は、2019年完工予定のビルが9割超、2020年完工予定のビルが6割超と、プレリーシングは順調だ。しかしながら、内定しているテナントの多くが既存ビルからの移転であるため、後継テナントの確保が困難になりそうだ。
景気の見通しが不透明な中、館内増床のペースも足踏み状態の傾向にあり、テナント退出後のスペースを募集に出すケースが出始めている。
CBREでは東京グレードA賃料について、向こう1年間で1.7%下落すると予想している。
またCBREのビル営業本部長の上遠野孝氏は、
マーケットの潮目が変わりつつある。拡張ニーズは相変わらず強い。しかし物件によってはテナントとオーナーの賃料目線が乖離し、後継テナントの誘致に時間を要するケースもみられる。
(プレスリリースより)
とコメントしている。
(画像はプレスリリースより)
シービーアールイー株式会社(CBRE日本法人)のプレスリリース
https://www.cbre.co.jp/