24年6月の東京都心ビル、空室率が5.15％にまで低下

三鬼商事株式会社（以下、三鬼商事）は11日、全国主要都市のオフィスビル最新市況をまとめたオフィスマーケットデータを更新、2024年6月分の提供を開始した。東京ビジネス地区のほか、大阪、名古屋、札幌、仙台、横浜、福岡の各エリア市況を見ることができる。

この調査における東京ビジネス地区とは、千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区の都心5区のことで、対象ビルはこのエリア内に立地する基準階面積100坪以上の主要貸事務所ビル物件となる。

基準階面積はワンフロア当たりの契約面積、平均賃料は税抜きの坪単価で、共益費は原則含んでいない。

「新築ビル」とは調査月を含め過去12カ月間に竣工したビルを指し、「既存ビル」は調査月の12カ月前までに竣工したビルを指す。今回の調査では、新築ビルに該当するものが26棟、既存ビルが2,554棟で、合計2,580棟となった。

2024年6月期の東京ビジネス地区における平均空室率は5.15％で、前月より0.33ポイント、前年同月より1.33ポイント低下し、改善傾向がみられた。直近1年の中でも最も低く、徐々に需給が引き締まってきている。

6月は既存ビルで大型の募集開始があった一方、新築ビルで中規模の成約が順調に進んだほか、既存ビルでも大型成約が多く発生したため、全体で空室率低下となったという。東京ビジネス地区全体の空室面積は、この1カ月間で約26,000坪減少した。

新築ビルの平均空室率は19.77％で、前月より6.06ポイント低下、まとまった低下幅を記録し、20％を割り込む結果となった。前年同月比では14.65ポイントの改善になる。

6月期には、新築ビル2棟が募集区画を残して竣工を迎えたものの、竣工1年未満のビルで中規模成約が進み、一部の大規模ビルが既存ビルのカテゴリは移行したことも影響し、空室率の低下となった。

既存ビルの平均空室率は4.89％で、こちらも前月より0.08ポイントとごくわずかだが低下した。前年同月比では0.89ポイントの低下になっている。

6月として大型募集が少なかったのに加え、自社使用や拡張などで新たな成約の動きがみられ、空室率の低下につながった。

東京ビジネス地区における2024年6月の平均賃料は、月額坪あたり19,979円で、前月より35円、率にして0.18％上昇、前年同月比では141円、率にして0.71％の上昇となった。

緩やかな上昇基調を続けており、いよいよ2万円台が間近に迫った。全体平均賃料の上昇は、これで5カ月連続ともなっている。

新築ビルの平均賃料は、月額坪あたり28,042円で、前月に比べると642円下落したが、前年同月比では909円の上昇となった。既存ビルは月額坪あたり19,782円で、前月より46円、前年同月より79円の上昇になっている。

区ごとの動向を見ると、平均空室率では、渋谷区のみ前月比がプラスとなり、0.35ポイント上昇、4.48％に上がった。前年同月比では0.07ポイントの低下と、わずかに下がっているが、これにより5月期には5区内で2番目に低い値であったところ、6月期は新宿区の方が低くなり、順位が逆転、3番目の低さとなった。

最も低い空室率にあるのは、引き続き千代田区で2.93％と、3％を下回った。前月より0.16ポイント、前年同月より1.04ポイント改善している。

新宿区は4.36％、中央区は6.01％で、最も高い港区が7.16％だった。港区は値としては最も高いが、前月比と前年同月比の下げ幅では、5区中最も大きく、前月より0.60ポイント、前年同月より2.38ポイント低下した。

平均賃料については、前月比では新宿区のみ下落、前年同月比で中央区、港区、新宿区が下落、千代田区と渋谷区は前月比、前年同月比とも上昇になった。

最も高いのは、渋谷区の月額坪あたり23,394円で、前年同月に比べると1,544円とまとまった上昇になっている。千代田区はこれに続く月額坪あたり21,830円で、前年同月より311円上昇した。

港区は月額坪あたり19,521円、中央区が月額坪あたり18,178円で、最も安いのが新宿区の月額坪あたり17,874円だった。新宿区は前月より143円、前年同月より53円下落している。

（画像はプレスリリースより）




三鬼商事株式会社　オフィスマーケットレポート2024年7月号 東京ビジネス地区 公開資料（プレスリリース）
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