ラピダス工場着工で賃貸市場はどう変わる?
株式会社LIFULLは1月10日、同社が運営する情報サイト「LIFULL HOME'S PRESS」にて、Rapidus株式会社(以下、ラピダス)の半導体工場進出に伴う、千歳市の賃貸市場への影響に関する調査結果を発表した。
半導体の実用化・量産化を目指し、国内大手企業8社が出資して設立されたラピダス。同社は、2025年の試作生産ライン竣工、2027年の量産開始を見込んで、2023年9月に千歳市において新工場を着工した。
周辺では、ラピダスによる大規模雇用のほか、ラピダス進出を契機とした関連企業の立地が進むことも期待され、建設関係者やラピダスの社員、関連企業従業員による居住需要の高まりが見込まれている。
新工場着工後の問い合わせ件数は2倍超
同サイトに掲載された千歳市の賃貸物件に対して、不動産会社に問い合わせのあった数は、新工場が着工した2023年9月以降、いずれの月も前年の同月を上回った。
11月にはシングル向け物件で前年同月比211.4%、9月にはファミリー向け物件で前年同月比221.2%と前年の2倍超示している。
例年は引っ越しシーズンの1~3月に問い合わせ数が多くなるが、2023年に限っては7月以降も引っ越しシーズンに相当する問い合わせ数となっており、新工場着工の前後で賃貸需要が高まっていることが分かる。
特にシングル物件が品薄
同サイトに掲載された賃貸物件の数は、ラピダスが千歳市への進出を発表した翌月(2023年3月)以降、特にシングル向け物件が急激に減少し、2023年8月の1,072件が底となった。
新工場周辺では賃貸需要の増加に伴って既存の物件の空室が少なくなっていること、さらに、空室が発生しても募集開始後すぐに申し込みが入るなどで1物件あたりの掲載期間が短くなっており、掲載物件数の減少につながっているようだ。
これは「新工場の建設関係者の需要が高まっている」(地元不動産会社談)ことに起因するものと考えられる。
(画像はプレスリリースより)
株式会社LIFULLのプレスリリース
https://lifull.com/news/30406/