近畿レインズが最新の市況トレンドレポートを公開
公益社団法人近畿圏不動産流通機構(近畿レインズ)は19日、2022年4~6月期の近畿圏における不動産市場動向をまとめたレポートを公開した。大阪府、京都府、兵庫県、滋賀県、奈良県、和歌山県の2府4県を対象とする。
2022年4~6月期における近畿2府4県の中古マンション市場では、成約件数が4,348件となり、前年同期に比べ1.2%の減少になった。2期連続のマイナスになる。
この間の新規登録件数(売り出し件数)は13,199件で、需給を示す成約に対する新規登録物件の件数倍率は3.0倍だった。
4~6月期の平均成約価格は2,648万円で、前年同期比7.1%の上昇と、ややまとまった上昇傾向が認められた。これで8期連続の価格上昇にもなっており、高騰傾向がみられる。
新規登録価格も2,673万円で、前期に比べ3.4%上昇した。新規登録に対する成約物件の価格乖離率は-0.9%で、1%未満にとどまったことから、売り物件価格と同水準の中古マンション取引が進められていると分かる。
戸建・マンションとも成約件数減少・価格上昇の局面続く
中古戸建住宅(土地面積50~350平米未満)の2022年4~6月期における成約件数は、2,704件で前年同期に比べ4.4%減少した。前期の1~3月期に続き、前年比マイナスになっている。
新規登録件数(売り出し件数)は8,405件で、成約に対する新規登録物件の件数倍率は3.1倍だった。中古マンションと同程度の需給水準である。
4~6月期における平均成約価格は2,269万円で、前年同期比10.2%の2桁増を記録した。また、7期連続で前年同期を上回っている。
新規登録価格は2,608万円で、前期に比べ1.6%下落した。新規登録に対する成約物件価格の乖離率は-13.0%で、前期に比べると成約価格の上昇から縮小し、流通物件の中でも相対的に高額な戸建物件を求める動きが確認されたが、中古マンションに比較すると依然乖離率は大きい。
土地取引の動向をみると、成約件数は1,560件で、前年同期に比べ20.8%の減少になっていた。4期連続のマイナスであるほか、マンションや戸建の減少率を大きく上回り、軟調な取引が続いている。
新規登録件数(売り出し件数)は7,464件で、成約に対する新規登録物件の件数倍率は4.8倍だった。取引件数が減少傾向の中、需給は緩和的水準にある。
2022年4~6月期の土地平均成約価格は2,299万円で、前年同期比18.5%の上昇となった。大幅アップの2桁上昇で、8期連続のプラスにもなっている。
新規登録価格は2,229万円で、新規登録に対する成約物件の価格乖離率は+3.1%、市場流通物件の中でも、比較的高額な土地を求める向きが強まった。
関連不動産市場の最新動向としては、2022年6月のオフィス市場空室率が、2022年3月比で大阪・梅田と京都市が上昇を記録する一方、淀屋橋・本町と神戸市では低下となった。募集賃料は各地区ともおよそ横ばいで大きな変化はみられていないが、空室率の推移にエリアごとで異なった傾向が確認されている。
なお、近畿圏の不動産市場全体動向として、成約件数の減少が続き、取引が軟調な推移となる一方、価格上昇基調に変化はみられず、価格や金利の動向が中古住宅市場本来の値頃感を求める需要に与える影響が今後どうなっていくか、より一層注視する必要が高まっていると指摘された。
(画像は近畿レインズ「市況レポート 2022年4~6月期」公開資料より)
公益社団法人近畿圏不動産流通機構 市況レポート(2022年4~6月期)
http://www.kinkireins.or.jp/rte/shikyo-1/shikyo-zenpen.pdf