三鬼商事が最新のオフィスビル市況を発表
三鬼商事株式会社(以下、三鬼商事)は10日、2022年7月の全国主要都市におけるオフィスビル最新市況をまとめたマーケットレポートの公開を開始した。東京ビジネス地区のほか、大阪、名古屋、札幌、仙台、横浜、福岡の市況を見ることができる。
この調査における「東京ビジネス地区」とは、都心の主要5区である千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区を指し、対象ビルはこのエリアに立地する基準階面積100坪以上の主要貸事務所ビルとなっている。
また、「新築ビル」は調査月を含め、過去12カ月間に竣工したビルを指し、「既存ビル」は調査月の12カ月前までに竣工したビルを指す。今回の調査では、新築ビルに該当するものが22棟、既存ビルに該当するものが2,580棟で、合計2,602棟のデータとなった。
2022年7月の東京ビジネス地区における平均空室率は6.37%で、前月より0.02ポイント低下した。前年同月比では0.09ポイントの上昇と、なおわずかに悪化傾向だが、変動幅は小さくなっている。
新規供給や解約の影響があったものの、大型成約の動きも一部に見られたことから、およそ横ばいとなった。東京ビジネス地区全体の空室面積は、この1カ月間で小幅に減少し、前月比での空室率が微減する結果となっている。
新築ビルの空室率は、38.72%で、前月に比べ1.06ポイント上昇した。前年同月比では27.30ポイントの悪化と、前月に続いて大幅な上昇になっている。7月には新築ビル4棟が募集面積を残して竣工したため、空室率を押し上げた。
一方、既存ビルの空室率は6.15%で、前月に比べ0.10ポイント低下、前年同月比でも0.05ポイントの低下になった。解約も見られる中、館内増床や拡張などに伴う中規模成約や大型成約の動きもあり、空室率の改善につながっている。
平均賃料はついに2年連続の下落傾向
2022年7月における東京ビジネス地区の平均賃料は、共益費や消費税を抜いた額で、月額坪あたり20,262円となり、前月より11円、前年同月より783円下落した。率にすると、前月比で0.05%、前年同月比で3.72%の下落となる。
オフィス戦略の見直しに伴う空室率の悪化などを背景に、賃料の緩やかな下落傾向は長く続いており、今回で24カ月連続のこととなった。
新築ビルの平均賃料は、月額坪あたり25,000円で、前月より600円上昇したが、前年同月比では4,700円の下落だった。既存ビルでは、月額坪あたり20,186円となり、前月より32円、前年同月より755円下落している。
地区別の動向を見ると、平均空室率では、中央区が前月比、前年同月比とも悪化傾向となる一方、新宿区と渋谷区は前月比、前年同月比ともマイナスで、改善傾向となった。
空室率が最も高いのは港区の8.17%で、前月より0.04ポイント上昇、前年同月比では0.13ポイントの低下であった。反対に最も低いのは渋谷区で、その空室率は4.50%となっている。こちらは前月比で0.48ポイント、前年同月比で1.95ポイントの低下になった。
平均賃料は、中央区の前月比のみプラスで25円と小幅な上昇を記録したが、それ以外は下落となっている。最も高いのは千代田区で、月額坪あたり22,064円だが、前月に比べると29円、前年同月比では611円の下落になった。
中央区は5区中最も低水準の相場で、月額坪あたり18,411円だが、前月比では25円上昇、前年同月比では576円の下落だった。港区は月額坪あたり20,181円、前月比で55円下落、前年同月比では1,152円と5区の中でも最も大幅な下落になっていた。
新宿区は、月額坪あたり18,498円で、前月より27円、前年同月より629円下落している。渋谷区も月額坪あたり21,517円で、前月より48円、前年同月より1,022円下落した。
(画像は三鬼商事「オフィスマーケットレポート 最新オフィスビル市況 東京ビジネス地区 2022年8月号」公開資料より)
三鬼商事株式会社 最新オフィスビル市況 東京ビジネス地区 2022年8月号 公開資料
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