シノケンは10月6日、インドネシア金融庁などと共同で、個人向けミューチュアルファンド(投資信託)を組成すると発表した。
ファンドの運用は、シノケンの傘下でありインドネシアにて不動産ファンド事業を展開するPT. Shinoken Asset Management Indonesia(シノケンアセットマネジメントインドネシア)が担当。
同社が主導する形で、インドネシア政府や証券取引所、州政府、国営銀行、地域の金融機関と連携し、個人向けの金融商品として販売する。
金融商品が普及していないジャンビ州で販売
インドネシア政府ではジャワ島など一極に人口が集中するのを防ぐため、過疎地域への人口移住を推進する「トランスミグラシ政策」を、19世紀初頭から進めてきた。
トランスミグラシ政策で主要移住先の1つとなっているスマトラ島のジャンビ州は、約300万人の人口を要し、パームオイル生産などが活発に行われている。
人々の収入は比較的安定しているが、金融商品はいまだ普及していない。同社はこの地域に着目し、金融商品や金融サービスの普及を目的に、インドネシア金融庁へファンドの組成を申請し、承認を受けた。
まずは資産規模300億円が目標
同ファンドはインドネシア国債やインドネシア上場債券などを投資対象としており、地場銀行であるジャンビ銀行が販売代理人として取り扱う。
インドネシア金融庁やインドネシア証券取引所、ジャンビ州政府と連携し、ジャンビ州においてセミナーの開催などを通じて普及を図るという。資産規模は当初は300億円を目指し、その後さらに拡大させていく方針だ。
また同ファンドはトランスミグラシ(移住民)向けの金融商品としては、インドネシア初の試みとなる。今回の試みで、誰もが金融サービスの恩恵が得られる「ファイナンシャル・インクルージョン(金融包摂)」の実現を目指す。
ファイナンシャル・インクルージョンは国連が定める、17の持続可能な開発目標(SDGs)のうち8つ目の目標の10項目として掲げられた「すべての人々の銀行取引、保険、および金融サービスへのアクセス拡大を促進する」に直結する、社会的意義の高い取り組みだ。
株式会社シノケングループのプレスリリース
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