2010年を100とする新たなマクロ指標
国土交通省は4月28日、「既存住宅販売量指数」を公表した。この指数が公表されるのは初めてで、国土交通省が毎月公表している「不動産価格指数」と併せて、不動産市場を把握するための新たなマクロ指標となる。
具体的には所有権移転登記個数(登記データ)を基に、個人が購入した既存住宅量を指数化したもの。指数の基準値として、2010年の平均を100としている。
なお、個人購入では床面積30平米未満のワンルームマンションの取得が増加しているため、床面積30平米未満のマンションの数値を含んだものと、除去したものとが公表される。
2019年の全国指数は110.0
今回公表された、2019年1月~2020年1月分の「既存住宅販売量指数」によると、2019年における全国の既存住宅販売量指数は、前年比4.0%増の110.0。このうち30平米未満のマンションを除いた合計は、前年比3.8%増の104.3となっている。
直近の2020年1月分の指数をみると、季節調整値は前月比2.8%増の110.9。なお、前年同月比では0.3%増である。
1月分の30平米未満のマンションを除く季節調整値は、前月比3.2%増の105.0。前年同月比では0.3%の減少となった。
不動産市場のマクロ・ミクロ的な分析向上に向けた研究会が整備した指標
「既存住宅販売量指数」が新たに加えられた経緯として、リーマンショック以降、IMF(国際通貨基金)などから経済・金融に関する統計整備の要請があったことが挙げられる。
これを受けて政府は、不動産市場の動向の把握などを目的に、不動産価格指数を整備した。さらに、今後の不動産市場の正確な見通しを得るために、多角的な指標として「既存住宅販売量指数」を整備した。
なお、「既存住宅販売量指数」は当面、試験運用として毎月下旬に公表される予定である。
(画像はプレスリリースより引用)
国土交通省のプレスリリース
https://www.mlit.go.jp/