平屋回帰の動きも地域で実態はこんなに違う!
株式会社リクルートは22日、同社が運営する不動産ニュースポータル「SUUMOジャーナル」の調査として、都道府県別平屋率ランキング調査を実施、その結果をとりまとめて公開した。
この調査は、国土交通省が発表する2022年の建築着工統計調査をもとに行ったもので、居住専用住宅建築物のうち、地上階数1~3階の棟数と、地上階数1階の棟数で割合を算出、ランキング化している。
よって、1階建ての建物であれば、木造・鉄骨造などその構造は問わず「平屋」とみなしている。また3階建てまでの居住専用住宅には、厳密にはアパートやマンションなどの集合住宅も含まれるため、すべてが一戸建てというわけではないが、この調査内においては便宜上一戸建てと扱った。また、1階建ての集合住宅はごく少ないため、実際の新築一戸建て平屋率は、この調査の試算よりやや高い結果になると推測されている。
宮崎と鹿児島では新築の半分以上が平屋
全構造を対象に調査した都道府県別平屋率は、1位が「宮崎県」で55.8%だった。2014年には43.4%であったため、この間に129%増加している。
続く2位は「鹿児島県」で平屋率が52.4%だった。2014年には42.2%で、上昇率は124%となった。宮崎県と鹿児島県のトップ2は、2022年に着工された3階建て以下の新築住宅で、過半数が平屋であったことになる。
3位は「沖縄県」の41.7%。こちらは2014年が47.4%であったことから、上昇率は88%で、むしろ近年になって平屋の割合が少なくなってきていた。
4位は「香川県」で34.9%、こちらは2014年が14.0%であったため、上昇率は249%と非常に高かった。5位が「熊本県」で34.4%、6位は「山口県」の34.1%、以下7位に「長崎県」で32.2%、8位「大分県」の31.9%、9位「佐賀県」31.1%、10位は「愛媛県」の26.2%だった。
トップ10を見ると、九州・沖縄地方の県が非常に多く、九州地方では福岡県を除くすべての県で平屋率が3割超え、トップ10にランクインする結果となっている。
続いて平屋率が20%を超えるトップ20までの上位では、四国地方の県や、群馬県、茨城県、栃木県といった関東の郊外エリアが目立つ。
反対に平屋率が低い下位を見ていくと、全国最下位の47位は「東京都」で1.4%だった。もともと土地が限られ、地価も高い都内では平屋率が非常に低い。
46位は「神奈川県」で2.7%、45位に「大阪府」の3.0%、44位が「京都府」で5.5%、43位は「埼玉県」の7.0%だった。大都市圏とその隣接県では、平屋率が低い傾向にある。
平屋率が高い県では、比較的土地が安く手に入り、もともと平屋が多く建てられる傾向にあったことに加え、世帯の少人数化、高齢化、家事動線の良さ、冷暖房がワンフロアで完結するため光熱費を低く抑えて宅内温度差を最小化できるといったメリットが認知されるようになり、近年、平屋回帰とされるブームが発生していると推測された。
また熊本県などでは、巨大地震をきっかけに平屋が増えた背景もある。2階以上の部分による重みがなく、地震の揺れに強い平屋を、自宅が倒壊して建て替えが必要になった人や、その情景を目にした後にマイホームを検討する人で平屋の支持が広がった。
(画像はプレスリリースより)
株式会社リクルート プレスリリース(PR TIMES)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002180.000011414.html