マンションリサーチが中古物件の市場動向を調査
マンションリサーチ株式会社(以下、マンションリサーチ)は9月29日、中古マンション物件の買取再販市場における最新動向を報告した。直近では在庫数が増加し、販売価格も高止まり、需要が緩やかな減衰傾向にあるとしている。
まず、東京23区における再販マンションと、その他中古マンションの在庫数を調査すると、買取再販マンションも、その他の中古マンションも、在庫物件数が新型コロナウイルス感染症の感染拡大による1度目の緊急事態宣言が明けた2020年6月頃から、徐々に在庫が減少、同年の年末から翌2021年を底に増加傾向へと転じていた。
直近の在庫数ではやや減少傾向もみられているものの、とくに買取再販マンションは、コロナ禍前の2019年などに比べ、大幅に増加した状態が続いている。
2019年12月の在庫数を1とすると、再販マンションは2021年4月に0.87まで減少、直近の2023年8月は1.34になっていた。一方、その他の中古マンションは、2021年4月に0.65まで減少、直近2023年8月は0.84になっている。
コロナ禍で、新たな需要の高まりがあった再販マンションだが、現在は在庫増に転じており、一貫した在庫の少なさを保っているその他中古マンションに比べ、需給バランスが大きく崩れて在庫を積み増してきていることが判明した。
回転率は低下し、価格も高止まり
特定の時点における「売り手」の数に対し、「買い手」がどの程度存在するかを示す「在庫回転率」についても調査が行われた。この指標数値は、値が高いほど需要も高いことを示す。
コロナ禍前から2021年にかけては、再販マンションも、その他中古マンションも、それぞれ15~20%前後の在庫回転率で推移していた。その後、2021年初を起点に回転率が上昇し始め、25~30%で推移するようになる。
この頃から再販マンションと中古マンションの値に差が出始め、5%程度の差分がみられるようになった。ここ2年の推移でみると、再販マンションにおいて在庫回転率の悪化傾向が強い。
その他中古マンションの回転率も低下しており、コロナ禍前の水準に市場が戻ってきているともみられるが、再販マンションではコロナ禍前を下回る回転率となった月も目立った。
こうした中で、マンション価格は再販・その他中古の違いなく、高騰傾向が続いている。
東京23区における再販マンションのコロナ禍前における価格は、坪200~250万円程度だったが、直近の8月におえる坪単価は約332万円にまで上昇した。2022年4月頃からは小幅な上下変動を繰り返しつつ、高止まりとなっている。
中古マンション全体の価格が上昇しており、新築マンションの価格高騰による影響が大きいと考えられるが、再販マンションでは仕入れ値の上昇に加え、円安や人材不足から再販にかかる工事費コストも上昇、利益率が低下しているとみられた。
(画像はプレスリリースより)
マンションリサーチ株式会社 プレスリリース(PR TIMES)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000052.000013438.html