2度目以降のオフィス選びではどんな物件が人気?
株式会社アットオフィスは2月28日、2021年1月~2021年12月の1年間に東京オフィス主要5区において、新規設立を除くオフィス移転を行った企業に関する動向調査を実施、その結果をとりまとめて公開した。
ここでいう東京オフィス主要5区とは、東京都の港区、千代田区、中央区、新宿区、渋谷区の5区を指し、2021年の1年間にこの対象エリアでオフィス移転を行った法人について調査している。
データは、アットオフィスが管理する企業データベースに登録のある企業で、かつオフィス用途のビルやSOHO、シェアオフィス物件に入居する企業のものを対象として集計された。
調査結果によると、2021年に東京オフィス主要5区で移転を行った企業の合計数は21,281社だった。
どのようなオフィス物件を選択しているか、タイプ別に集計すると、一般的「オフィスビル」が9,273社で44%、「シェアオフィス」が6,497社で29%、「SOHO」が6,143社で27%となっている。
基本となるオフィスビル入居が44%を占め、最多となっているが、これに次ぐものとしてシェアオフィスがランクインし、3割に迫るまでになっている点は特筆点といえる。
オフィス入居総件数は月間2,000社弱で推移
東京オフィス主要5区における2回目以降の本社移転で物件への入居が決まった総件数は、月別にみると1月が最小の1,578件、2月がこれとほぼ同じ1,579件、3月は大きく伸びて年間最大の1,966件となっている。
4月は1,960件、5月は1,721件、6月に1,916件、7月は1,783件、8月が1,686件、9月1,609件、10月で1,772件、11月は1,780件、12月1,931件だった。
月間当たりでは、およそ1,500~2,000件で推移しており、夏場と1月は少なめの傾向がみられる。
物件タイプと区のエリア別で動向をみると、SOHOの場合、港区が年間1,940件で5区中最も多く、次いで渋谷区が1,476件となる。続く3位は新宿区の1,085件、中央区は805件で、千代田区が最も少ない526件だった。
一方、オフィスビルの場合、千代田区が2,232件で最も多く2位が港区の2,195件、3位に中央区の1,837件で渋谷区は1,616件、新宿区が最も少ない1,393件となる。
シェアオフィスでは、港区が2,160件と最多、次いで渋谷区の1,425件、3位が中央区の1,055件で、千代田区は966件、新宿区が最も少なく570件にとどまっていた。
区別に傾向をみると、港区では2021年の移転総数が6,295件、月400~600件程度のオフィス移転が発生している。2021年12月にとくに移転が多く発生、629件が確認され、中でもシェアオフィスの入居が286件と45%を占めた。他の区と比べてもシェアオフィスの選択比率が高い点に港区の特徴がある。
渋谷区では、年間移転総数は4,679件、月300~450件弱が報告されている。年間を通じて需要の高いエリアだが、実際の移転数推移は横ばいで、SOHOの貸出件数が多い点が特徴的だ。小規模事業者が多いエリアでもあり、SOHOへの入居比率は全体の32.6%と約3分の1を占める。
新宿区は年間のオフィス移転総数が3,215件、月当たり200~300件前後となった。1月、5月、8月といった連休の多い月には少なくなり、時期による差が他の区よりも激しい特徴がある。シェアオフィス施設が新宿駅周辺に集積し、全体数は少ないことから、シェアオフィス比率は全体に低めで、18.6%にとどまる。
千代田区の移転総数は年間で3,930件、月250~350件前後のオフィス移転があった。オフィスビルを好む企業が多い傾向のあるエリアだが、シェアオフィス入居数も25%前後は常にみられ、比較的多い。反対にSOHOが占める率は低い地域となっており、そもそものSOHO物件数が少ないことが報告された。
中央区の移転総数は年間3,931件、月250~350件超のオフィス移転がみられた。傾向は新宿区に似ており、1月、5月、8月が少ないなど時期による差が顕著となっている。シェアオフィスの占める率は比較的高く、30%近くにのぼった。
(画像はプレスリリースより)
株式会社アットオフィスによるプレスリリース(PR TIMES)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000094499.html